一般社団法人日本老年歯科医学会 第26回学術大会in横浜|回復期リハビリテーション・整形外科・リハビリテーション科・療養病棟・歯科など|広島県呉市郷原町と東広島市黒瀬町の境界に立地

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歯科

【学会発表】日本老年歯科医学会 第26回学術大会in横浜

歯科 2015年06月18日

呉記念病院NSTにおける歯科の現状

:栗原 茂1)、牧野路子2)、野口哲司2)、内藤 徹2

呉記念病院歯科1)、福岡歯科大学高齢者歯科学分野2)

 

 

  • 目的

当院は平成24年6月よりNSTカンファレンスを行っている。NSTカンファレンス後に歯科治療を行った患者の栄養摂取方法の変化を検討し、栄養状態改善に歯科治療がどの程度寄与できるかを明らかにすることを目的として、患者の実態調査を行った。

 

 

  • 方法

対象は平成25年4月~平成26年10月に、NSTカンファレンス後に歯科治療を行った患者49名とした。年齢、性別、入院場所(以下の2郡に分類)、療養型病床(医療療養病棟、介護療養病棟)、回復期リハビリテーション病棟(以下、回復期リハ病棟)、入院に至った主たる疾患、栄養摂取方法、BMI、食形態、摂食嚥下能力グレードを調査した。食形態は当院の嚥下訓練食、摂食嚥下グレードは藤島のグレードを指標に用いた。改善の評価については、歯科治療実施の前後約1~2カ月で調査した。

 

 

  • 結果と考察

平均年齢は療養型病床で81.6歳、回復期リハ病棟で81.7歳であった。性別は療養型病床で男性8名女性18名、回復期リハ病棟で男性7名、女性16名であった。入院場所の2郡間での有意差は認めなかった。歯科治療前のBMIは療養型病床で20.4、回復期リハ病棟で18.1と有意差を認めた。歯科治療は療養型病床で義歯治療5名、口腔ケア12名、その他9名、回復期リハ病棟で義歯治療15名、口腔ケア6名、その他2名と有意差を認めた。義歯治療の有無では療養型病床で有り5名、無21名、回復期リハ病棟で有15名、無8名と有意差を認めた。主な栄養摂取方法では療養型病床で経口摂取14名、経管栄養12名、回復期リハ病棟では経口摂取23名、経管栄養0名と有意差を認めた。

歯科治療前後の摂食嚥下グレードの変化を調べた。療養型病床では改善なし22名、改善あり4名、回復期リハ病棟では改善なし9名、改善あり14名。療養型病床の改善なしと回復期リハ病棟の改善ありのグループ間に有意差を認めた。

歯科治療前後の食形態の変化を調べた。療養型病床で改善なし25名、改善あり1名、回復期リハ病棟で改善なし13名、改善あり10名。療養型病床の改善なしと回復期リハ病棟の改善ありのグループ間で有意差を認めた。

今回の調査で、療養型病床の患者と回復期リハ病棟の患者の間で、摂食嚥下機能の回復と食形態の改善において有意差を認めた。

回復期病棟への歯科介入によって、摂食嚥下機能の回復と食形態の改善が期待できることが示唆された。回復期の患者は全身的な回復傾向にある事が多いため、NSTにおいて歯科による介入、特に義歯治療は重要な役割を担うと推測される。

一方、療養型病棟の患者で機能回復を示した患者は少なかった。療養型の患者、特にNSTにピックアップされる患者は、全身状態が緩徐に低下していく傾向にある患者が多いためと思われる。

患者によって状態、病態は様々であり、必要な介入も一様ではない。今後は、患者個人に即したより効果的な介入を検討していきたい。

 

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